みんな大好き Alex Kipman! HoloLens 主任開発者の軌跡を辿るまとめ記事
この記事は、HoloLens 主任開発者だった (現:米Microsoft Windows and Devices Group Technical Fellow) の Alex Kipman(アレックス キップマン) と、HoloLens の軌跡をまとめた記事です。(2017年10月3日更新)
- Alex Kipman ってどんな人?
- Alex Kipman と HoloLens の軌跡
- 2015年1月: HoloLens 初お披露目
- 2016年2月: TED カンファレンスでホログラム時代のビジョンを語る
- 2016年3月: HoloLens Developer Edition リリース開始発表
- 2016年6月: Windows Holographic (現: Windows Mixed Reality) の発表
- 2016年12月: Windows Holographic 技術展開発表
- 2016年12月: 日本ITジャーナリストによる Alex Kipman へのインタビュー
- 2017年2月: 海外記者による Alex Kipman へのインタビュー
- 2017年4月: Alex Kipman 来日決定
- 2017年5月: Alex Kipman 来日@de:code 2017
- 2017年10月: 複合現実に関するイベントを米国時間10月3日に開催(予定)
- Alex Kipman 記事まとめ
- おまけ
Alex Kipman ってどんな人?
もはや伝説的な WIRED の記事。 Microsoft CEO Satya Nadella(サティア・ナデラ) を中心に Microsoft の過去と現在、そして未来を描くためのキーパーソン Alex Kipman と彼が創り出した HoloLens について総評した記事をお読みください。 wired.jp
Project HoloLensの主任開発者キップマンは、ナデラが目指すマイクロソフトを象徴するような人物だ。正式な役職名は「オペレーティングシステム部門の技術フェロー」だが、実際は部門横断的に仕事をする。ナデラは、キップマンの万能ぶりを高く評価する。「ごく典型的なエンジニアとは一味違うという意味で、キップマンはちょっとクレイジーですよ」と語る。行動が予測できる典型的なエンジニアと違った独創性が、この研究者にはあると指摘する。「彼は、エンジニアリングを研究プロジェクトととらえているんです」
GIZMODEの記事では、Alex Kipman の生い立ちを含めた人物像が紹介されています。 www.gizmodo.jp
彼の才能が本当に開花したのは2008年、Xbox部門に入ってから。キップマンが開発したKinectのモーションコントローラーは、2010年に発売されてから爆発的にヒットし、最も売れたコンシューマーデバイスとなったのです。
5つの要点でさくっと分かる Alex Kipman の人物像 heavy.com
Alex Kipman の Twitter アカウントはこちら twitter.com このツイートでは、日本で開催された 2017/2/2 の HoloLens 80台が集った大規模 HoloLens イベントに対してコメントしました。
<3 <3 <3 https://t.co/H1usmRuJGS
— Alex Kipman (@akipman) 2017年2月2日
Alex Kipman と HoloLens の軌跡
2015年1月: HoloLens 初お披露目
Windows 10 Live イベントで 初お披露目された Microsoft HoloLens。 HoloStudio で作成したドローンを 3Dプリンターで出力して飛ばすデモンストレーションをしました。2015年1月当初、HoloLens に対する観客の反応は実感が沸かないのか小さかったように思えます。 www.youtube.com
2016年2月: TED カンファレンスでホログラム時代のビジョンを語る
TED カンファレンスに登壇したホログラム時代のビジョンについて語る Alex Kipman。3D空想世界、宇宙、火星の地形、リモート ホログラム共有のデモを行いました。 www.ted.com
2016年3月: HoloLens Developer Edition リリース開始発表
HoloLens Developer Edition リリース開始発表。建築物3Dモデルのデモ(建築業界)。リモート協働して人体模型3Dモデルのデモ(医療業界)。NASAによる3D火星地質調査のデモ(宇宙航空業界)を行いました。 www.youtube.com
2016年6月: Windows Holographic (現: Windows Mixed Reality) の発表
COMPUTEX 2016 の Microsoft Keynote で登壇した Alex Kipman。 VR デバイスである HTC Vive との共同作業でバイクのデザインを変更するデモを行っています。当初から MR (Mixed Reality: 複合現実) デバイスである HoloLens と、VR (Virtual Reality: 仮想現実) デバイスは競合製品ではなく、共存できる関係性であることを主張していました。このイベントで Windows Holographic (現: Windows Mixed Reality) というプラットフォームの展開が発表されました。 channel9.msdn.com
2016年12月: Windows Holographic 技術展開発表
WinHEC December 2016 に登壇した Alex Kipman。(2016年12月8日) Windows 10 に Windows Holographic 技術が展開されることを発表。3Glasses CEO による Windows Holograpic 技術を使用した VR デバイスが紹介されました。 channel9.msdn.com
2016年12月: 日本ITジャーナリストによる Alex Kipman へのインタビュー
IT ジャーナリスト西田宗千佳氏による Alex Kipman へのインタビュー記事。Windows Holograhic の現状と今後について。(2016年12月9日公開)
狙いは「民主化」 米MS、アレックス・キップマン氏に聞くWindows Holographic(前編) | PANORA VR
──Hololensは、コンシューマにはまだちょっと高い。これを低価格化することは可能ですか? キップマン 「いつか」はできます。時間は無限ですからね。答えはイエス。ただ問題は「いつできるか」、ですよね(笑)。今日の段階でアナウンスできることはないのですが、いつか、Hololensも価格帯を変える時期が来るでしょう。
IT ジャーナリスト西田宗千佳氏による Alex Kipman へのインタビュー記事。HoloLens 視野角と MR 空間について。(2016年12月14日公開)
HoloLensの視野角はなぜ狭い? 米MS、アレックス・キップマン氏に聞く「Windows Holographic」(後編) | PANORA VR
Hololensは世界ではじめて、実際の世界に「ピン止め」できるUIを実装しました。壁にブラウザを置いたりできます。そこに置いておけば、ずっとそこにあります。次にその時にここにくれば、またそこにあります。
2017年2月: 海外記者による Alex Kipman へのインタビュー
CNET記者による Alex Kipman インタビュー記事です。(2017年2月13日公開) HoloLens の現状から、開発時の苦労話まで。なお、"Do you have any plans for a consumer version? " というコンシューマー版に言及した内容については、日本語記事にはないため、原文を参照してください。
(原文)www.cnet.com
(日本語訳)japan.cnet.com
小さなチェステーブルの上に小さな飛行機が飛んでいる状態を作り出そうとします。その2つを同じ場所に共存させるのです。それを実現しようとすると、レンダリングのやり方が変わります。アプリモデルが変わります。われわれが持っているこれらのツールすべてが変わるのです。
2017年4月: Alex Kipman 来日決定
日本マイクロソフトが 5 月 23 日(火)~ 24 日(水)に開催する、IT エンジニア向けイベント「de:code 2017」の 5 月 23 日(火)9:30 開始の基調講演に Alex Kipman が登壇することが決定しました。
日本マイクロソフトは19日、5月23〜24日に東京都のザ・プリンス パークタワー東京にて開催する開発者向けイベント「de:code 2017」に、Microsoftのテクニカルフェローであるアレックス キップマン(Alex Kipman)が出演することを明らかにした。23日9時30分よりスタートする基調講演に登壇する。
キップマンは、Microsoft Kinect、Microsoft HoloLens などのマイクロソフトの革新的な製品開発において中心的な役割を担ってきた技術者です。キップマンが、最先端技術を駆使してコントローラーの要らない新しい体験を生み出したことで、Kinect は世界で最も早く普及したコンシューマ向け電子機器となり、TIME 誌の 2011 年の「世界の 100 人」(100 People of the Year)にも選ばれています。また、2015 年 1 月に発表した Microsoft HoloLens により、現実世界と仮想世界を組み合わせた Mixed Reality(複合現実)が、世界中の開発者の想像力を刺激して、これまで無かった様々なアプリやアイデアが日々誕生して、Mixed Reality の世界が実現しつつあります。
2017年5月: Alex Kipman 来日@de:code 2017
2017年1月18日に日本で出荷開始してから初の開発者向け日本マイクロソフトイベントである「de:code 2017」の基調講演に Alex Kipman が登壇しました。
基調講演で Alex Kipman が語ったほぼ全文はこちらで確認できます。 panora.tokyo
VR、AR、ホログラムは、決して別のコンセプトではありません。それらは単なるラベルで、MRというひとつの世界をさまざまな角度から見ているに過ぎないのです。 VR、AR、ホログラムと別々に使うのではなく、実はMRがすべてを包括するものになるのです。MRを使うことで、現実のもの/人/場所を、バーチャルなもの/人/場所を混ぜ合わせることが可能になります。
関連記事: www.itmedia.co.jp
「HoloLensを世に出してから、まだ1年ほどしか過ぎていない。特に日本はハッカソンなどで開発者コミュニティーがここまで盛り上がっているのは驚くべきこと。私たちはクリエイター全員に刺激を受けている」(キップマンさん)
コンピューティングの歴史を紐解くとパーソナルコンピューティングではデバイスの中に全ての情報が入っていました。今後、MRが実現して到来する未来のコラボレーティブ・コンピューティング(協力型コンピューティング)においてMRデバイスはレンズでしかなく、見るためにあるだけだと言います。
西田 宗千佳氏によるインタビュー記事 av.watch.impress.co.jp
キップマン:他社に比べ我々が有利だと思う点は、「OSでサポートする」ことです。OSのレベルからMRを実現しようとしているのは我々だけです。他社はアプリケーションレベルで実現しようとしていますが、長期的に見ると、それでは成功は難しいでしょう。 キップマン:ある人物の言葉を引用しておきます。「未来は見えないが、常にそこにある」これは、ウィリアム・ギブスンの言葉です。http://www.hololensdev.jp/entry/2017/02/17/201213
野々下 裕子氏によるインタビュー記事 dime.jp
「過去の仕事を思い悩んだり、失敗を悔やむよりは、次に何ができるか考える方がわくわくする」というKipman氏の提示するビジョンはとても明るく前向きで、パワフルなキャラクターとあいまって聞いている側も一緒にわくわくさせてくれる。夢を現実に変える力もあり、影響を受け続けてきた日本のアニメやゲームの世界を実現するような、デバイスやプラットフォームの違いを越えてネットとリアルをシームレスにつなぐ技術を基調講演で発表していた。「クリエイティブし続けることが一番幸せ」というKipman氏が、次にどんな夢を実現させてくれるのか楽しみである。
「MRこそがコンピューターの将来」と語るKipman氏は過去1年を振り返り、IT業界には多くのバズワードが提示され、利用者側の混乱を招いていたと分析する。例えば、ホログラムという表現もMRの世界を異なる角度から見たに過ぎず、「MRはすべてを包括した存在だ」(Kipman氏)と説明した。
2017年10月: 複合現実に関するイベントを米国時間10月3日に開催(予定)
10月3日に、サンフランシスコで、Alex Kipman がホストを務める Windows Mixed Reality のイベントがプレス向けに開催される予定です。果たしてどのような内容になるのでしょうか。
MicrosoftテクニカルフェローのAlex Kipman氏がホストを務める、報道陣とアナリストを対象とした招待制のこのイベントでは、MR分野に関するMicrosoftの展望と計画が語られる見込みだ(このイベントのウェブキャストはないと筆者は聞いている)。10月3日のイベントでMicrosoftが独自の新しいハードウェアを発表することはないと筆者は考えている。その代わりに、「HoloLens」、PC、仮想現実(VR)/MRヘッドセットが、この分野におけるMicrosoftの戦略にどのように盛り込まれるのかについて、同社幹部らがより明確な全体像を示すという狙いがあるようだ。
Alex Kipman 記事まとめ
上述した記事以外に、Alex Kipman に言及している記事のまとめです。
2017年5月の記事に公開された記事(1) codeiq.jp
Alex Kipman(アレックス・キップマン)氏が初来日し、同社の開発者向けイベント「de:code 2017」の基調講演に登壇することを発表した。Kipman氏は80台のHoloLensで仮想空間を共有したコミュニティのイベントや、HoloLensを使ってMR入学式を行ったN高等学校のこともTwitterなどで知っていたそうで、今回の登壇については真っ先に伝えたかったと語った。
2017年5月の記事に公開された記事(2) www.gizmodo.jp
「パンチカードがキーボードになり、マウスがタッチ(スクリーン)になったように、入力や出力が大きく進化することでテクノロジーはもっとパーソナルになるんです。今日我々は、次のステップを踏み出します」
おまけ
Alex Kipman が Kinect について語る2010年の大変貴重な動画です。 www.youtube.com